阿蘇高菜のルーツ

阿蘇高菜はアブラナ科の植物カラシナの一種で、中央アジアが原産地と言われ、インド・西アジア・北アフリカには香辛料(黄ガラシ・マスタード)の原料として広まり、日本に持ち込まれたと言います。

アブラナ科には阿蘇高菜以外にも、広島菜、野沢菜、ザーサイなど漬物にされる品種が数多くあります。九州で高菜といえば阿蘇高菜の他に、福岡の三池高菜が知られていますが、名前は同じ “高菜” でも実はまったくの別の品種です。

阿蘇高菜はなぜおいしい

阿蘇たかな漬の一番の特徴は、シャキシャキとした歯ごたえとピリッとした辛味です。他の高菜が葉っぱも含めて全部、漬物に使うのに対して、阿蘇高菜は3月中旬~下旬にかけてのわずかな期間に“とう立ち”した、細い茎の部分を中心に使います。しかも、機械を使わず、1本1本丁寧に手で折りながら収穫されるので、阿蘇地方では高菜の収穫作業のことを “高菜折り” と呼びます。

手折りされたその日のうちに塩もみをし、樽につけ込み3日~5日でおいしい高菜漬けが出来上がります。漬け込んですぐの新漬けは、青々と色も鮮やかで、まさに阿蘇の春の味と香りがします。

また、高菜漬けには、3~4%の塩分で浅漬けした緑鮮やかな「新漬け」と、多めの塩分でじっくり漬け込んだベッコウ色の「古漬け」があります。新漬けは春の味覚であり、そのまま刻んで新鮮な香りと辛味を楽しむことが出来ます。古漬けは漬け物として凝縮されたうまみがありますし、油でいためたり、高菜めしにするなど、料理としてもおいしく食べられます。どちらも、一年を通じて阿蘇の食卓になくてはならない一品です。

阿蘇高菜のおいしい食べ方

◇ 新漬け

  • 水で洗わずに、水分を軽く絞る程度でお召し上がりください。ただし、塩分を気にされる方は、たっぷりの水でサッと洗ってお召し上がりください。
  • 包丁で切る前に、軽く “手もみ” してください。香りと爽やかな辛味が増し、いっそうおいしくお召し上がりいただけます。
  • お好みにもよりますが、細かく切らずに3センチ程度に切ってお召し上がりください。

◆ 古漬け

  • サッと水で洗い、軽く絞ってください。
  • お好みの長さで切って、しょうゆをかけてお召し上がりください。
  • 古漬けは油で炒めると、いっそうおいしくなりますので、ピラフなど、ご飯に混ぜてお召し上がりください。